Filmarks試写会にて。
現在、特にヨーロッパ各国やアメリカ合衆国において右傾化が進み、今まで認められてきた個性が排除されようとしています。一人ひとりが自分たちのことしか考えられず、異なる文化・社会的背景を持つ人々を認める大切さがないがしろにされようとしている現状に日々悲しさが募ります。
多民族国家マレーシアを舞台にヤスミン・アフマド監督によって製作されたこの映画は混沌としたこの世の中に対して、民族や宗教の壁をするりと乗り越える術を教えてくれるものでした。映画の中で描かれていたマレーシアの方々が英語を含むさまざまな言語を日々使いこなしながら生活している様子や、宗教・民族の違いがありながらも、違いを特別視せず、恋愛・友情や家族関係において一人ひとりを同じマレーシアに属する人間として尊重しようと懸命に奮闘する姿が印象的でした。
この映画のタイトルでもあるタレンタイムはTalent + TimeやTale and Timeなどさまざまな由来が考えられるそうですが、歌や演奏を通じて自分の個性をアピールする場があることはとてもすてきなことだと思います。日本でいうところののど自慢大会のようなものでしょうか。劇中のこのシーンも必見です。
この試写会に参加させていただき、本当にありがとうございます。忘れられない体験ができましたし、ぜひヤスミン・アフマド監督の他の作品も鑑賞したいです。