日本と違い
多民族・多宗教のマレーシアだからこその物語
民族や宗教による
偏見や交われない人間関係
主人公達の若い世代は何故?と思うのだろうが…
親達もそのまた上の年代も
その理不尽さを経験しながらも
変わらない・変われないのが
こういう根が深い問題と感じられ
そこに親子関係や疾病
障害等についても苦悩する人達が優しく描かれる
それも悲観的になり過ぎず
クスッと微笑ましいシーンも交え
終始心地よい雰囲気に包まれ
時間までもゆっくり流れているよう
ピアノの音色と共に優しい風景も挿入され
少し岩井俊二的かなとも感じられた…
余談ですが
父親が安田大サーカスのクロちゃんや
校長がマツコ・デラックスに
微妙に似ているのは
当然狙いではないのだろうが
私的には少しニンマリしてしまった…
そのマツコ校長に好意を抱いている先生にも(笑)
あと
二人の公園デート中に
急におむつ姿の赤ちゃんが次から次に出て来て
天使とかの幻想的なイメージ演出かと思いきや
彼女の「この子達どこから来たの?」ってセリフに実際に見えてるのか~~い💦
ってホノボノ演出も微笑ましかった(笑)
今作ではタレンタイム(コンクール)に出場する生徒には
練習等に登校するために
それぞれ送迎するバイクに乗る生徒が決められ
主人公の男女二人がカブに二人乗りで登校するのだが
「シングストリート」の自転車シーンに匹敵する青春時代ならではの名シーン…
それも最初は二人に距離が有るのだが
いずれ彼の腰に手を回す様に…
も~~背中の感触が~💦って
クソメンの私には夢の登校シーン
バイクには乗っていたのだけど経験ないわ~(泣)
コホン…
本筋は
いくら望んでも思い通りにならない事
生きていれば後悔する事が当然増え
誰しもそれを抱えながら生きてゆかなければならない事
必ず誰かに支えられながら生きている事
誰かが苦しんでいる時は少しでもその助けになるように行動する事
等々が懐かしい風景を交えて描かれる
タイトルにもなっている
タレンタイムのステージでも
しっとりと聴かせる歌は吹替え?と思わせる程に上手く
演奏も「セッション」や「スウィング・ガールズ」等の音楽物作品とは少し違い
盛り上げて
盛り上げてからの~
大団円~~
という感じではないのも斬新で
気持ち良く感じられ
少し疲れた時とか
ほっこりとしたい時には最適な作品でないかと思われた