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北ホテルのsonozyのレビュー・感想・評価

北ホテル(1938年製作の映画)
3.5
アナベラつながりで引き続きクラシック作品を。
運河沿いの安ホテル「Hotel du Nord(北ホテル)」に思いつめた表情で現れた、男ピエール(ジャン=ピエール・オーモン)と女ルネ(アナベラ)の物語。

二人はメイドに案内され16号室へ入ると、愛を確認しつつ「二人で精一杯頑張ったが世間は認めてくれずすべて裏目に出た。1時間後にこの苦しみから解放される。」と、小型拳銃を確認。
二人はここで心中するつもりなのだ。

ホテルに長期滞在している強面の男エドモンド(ルイ・ジューヴェ)は一発の銃声を聞き部屋に駆け付けるとベッドで倒れているルネと、銃を手にしたピエールが。
エドモンドは何を思ったか、ピエールを消えろ!と追い出し、まだ息をしているルネを救急車で運び出させる。

呆然としたピエールは向かいの草むらに拳銃を捨て逃げ、ルネは病院で一命を取り留める。

やがて自首したピエールが警官に連れられ病室のルネと対面。ルネは「私が自分で撃ったのよ」と彼を庇おうとするが、彼はすべて自分の責任だと刑務所へ入る。

傷の癒えたルネはホテルのオーナー夫妻に御礼に行くが、夫妻は行く当てがなければと、住み込みのメイドとして働かせてくれることになる。

ホテルに暮らしているエドモンドは、出所した男に命を狙われており、情婦レイモンドと地中海へ旅へ出る予定だったが、ルネを見たエドモンドは突然旅を取りやめる。
どうやら、エドモンドはルネに惚れてしまったようだ…

ルネはピエールを忘れられるのか…

このカッコいいジャケ写が、ピエールがルネを撃った直後だと思いますが、そもそも1つの拳銃で順番に撃つという心中を計画していた感じなのでそりゃ無理なんですが。笑;

脇役もいい味出してました。
献血のため血を汚さないよう禁酒して妻を知人男に軽く寝取られてるぽっちゃりおじさんとか。

アナベラは、いわゆる美人でも色気があるわけでもないんですが、今作も魅力的でした。
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