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家庭日記のENDOのレビュー・感想・評価

家庭日記(1938年製作の映画)
4.0
桑野通子が傲岸不遜な義父へ向けて放つ強烈な当て付け!ズームインするクローズアップが最高!薬局のデブ店主と銀座のレストランで話し合う中通子と遭遇し一度もカットを割らずにパンで話者をつなぐスリリングなこと!元恋人同士のサブリと三宅邦子の会話中静かにズームアウトして美容院の全貌を露わにさせる!実家に近い大通りから気弱なケン・ウエハラが手前に向かって歩いてくると左側に曲がり去ると同時にカメラは右方向にドリーして通子の姿を捉え息子に近づく滑らかな左右の運動!カメラが自由自在!狭い貸家で襖越しに初めてサブリ・高杉夫妻とウエハラ・桑野夫妻が4人が卓を囲むあの緊張感(『こわれゆく女』のパスタシーンに匹敵)火をねだる桑野へ無造作に投げられるマッチは高杉の手を通して煙草の灯となる。同時に2組の人間が会話する"アルトマン"のような猥雑さ。実利的なサブリの冷めた感じが物語を引き締める。カッコいい映画。
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