半兵衛

家庭日記の半兵衛のレビュー・感想・評価

家庭日記(1938年製作の映画)
3.6
内容はいかにも通俗小説らしい二組の夫婦による様々な価値観をめぐるドラマで特に印象には残らなかったけれど、清水宏監督により映像の構図が随所で冴え渡りなかなか面白い作品に。冒頭の主役二人の顔が影で映らない長回し演出なんかペドロ・コスタを彷彿とさせたし、襖と奥行きを生かした映像も他では見られず斬新だった。そしてこうした映像へのこだわりが弟子筋の石井輝男に受け継がれていったのか。

高慢な佐分利信のキャラは後年の政治家や『日本の黒幕』を思わせた、そしてその不機嫌そうな顔はどこかオードリー春日に似ている。
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