似太郎

吹けば飛ぶよな男だがの似太郎のレビュー・感想・評価

吹けば飛ぶよな男だが(1968年製作の映画)
4.6
舞台は大阪。真に情けない、どうしようもない社会に於けるはみ出し者のチンピラ、サブ(なべおさみ)と薄倖の女花子(緑魔子)との奇妙な関係を描いた山田洋次の異色作。

共同脚本に森崎東が参加。全編、大阪ロケの独特な雰囲気が横溢していて『男はつらいよ』とはまた違った味わいがある。

『男はつらいよ』シリーズの寅さんを若干、不良っぽくしたようなチンピラ達の描写は如何にも善人!善人!みたいな鼻につく印象が少なく、どちかと言えばイマドキ(現代的)で感情移入し易い。

やはり社会の底辺に生きるルサンチマン臭のする設定で、山田洋次らしいなぁ〜と思った。本作とハナ肇の『馬鹿』シリーズは今もお気に入りの山田作品。脚本を書いた森崎東のテイストが強めで、随所に彼らしい社会派なメッセージ性も感じ取れる。
似太郎

似太郎