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ママと娼婦の一人旅のレビュー・感想・評価

ママと娼婦(1973年製作の映画)
4.0
第26回カンヌ国際映画祭グランプリ。
ジャン・ユスターシュ監督作。

フランスの映画作家:ジャン・ユスターシュの長編初監督作品で、二人の女性の狭間で揺れる青年の日常を描いたドラマです。

パリを舞台に、無職で暇を持て余している青年:アレクサンドルと、彼が居候させてもらっているブティック経営者の30代の年上女性:マリー、誰とでも寝る看護師の若い娘:ヴェロニカの男女3人が織りなす奇妙な関係性のゆくえをヌーヴェルヴァーグらしい即興的な演出のもと映し出した上映時間200分超えの力作となっています。

母性的な年上女性と性に奔放な若い女性という対照的な二人の女性と同時に関係を持つ青年の他愛ない日常を描いた男女の三角関係ドラマで、三人のざっくばらんな会話劇がお気に入りのカフェをはじめとしたパリの繁華街や自宅アパートの一室を舞台に延々と映し出されていきます。一人の女性に絞り込めずに二人の女性となあなあに関係を続けてしまうヒモ青年の恋と日常を長回しの撮影を多用しつつ即興的感覚で描き出したユスターシュ長編第1作で、ジャン=ピエール・レオ、ベルナデット・ラフォン、フランソワーズ・ルブランが三者三様の自然体な演技を魅せています。
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