オトマイム

ママと娼婦のオトマイムのレビュー・感想・評価

ママと娼婦(1973年製作の映画)
4.0
ジャン=ピエール・レオー扮する主人公が色々と唐突だし性格が破綻している、わけがわからない。愛してるってただの挨拶?結婚しようってただの挨拶?とはいえ何も考えていなさそうなこのおバカな男はなかなかにモテているようだし、女たちも半分呆れながらデレているので周りがとやかく言うことではないのだろう。彼は一生涯安定した幸せを得ることはないんだろう。

生まれながらの娼婦なんていないし母親もしかり。それはたんなる職業であり役割なのだ、あたりまえのことだ。三者三様考えかたも行動のしかたも理解できないわけじゃないけどあまりにも饒舌であまりにも冗長でしかもアパートの部屋が汚すぎて引いた。あんな部屋あんなベッドはお断りしたい。部屋が写っていないショットは美しいです。ひとがただ座っているショットがどれもみごとに決まっていて驚く。
ずっと観たかった映画だから観れてよかった、でもおそらく最初で最後


↑観た直後にここまで一気に書いたのだけれど、なんとなくスコアが決まらず放置していた(今でも3.0〜4.5どれでもいいような気がしている)。そして数日経った今もさまざまなイマージュが脳内を侵食している。ユスターシュはその匂いや手触りが強烈なのだ。どこが、とはうまく言えないけど。こういう作品は手強い。カルト的人気がある作品なのだろう。私はまったく捉えられず好きともいえないけれど、これを観たことは今後の映画人生に何かしら影響を及ぼすかもしれない、などと思ったりしている。