のりまき

マイ・ブルーベリー・ナイツののりまきのレビュー・感想・評価

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王家衛がハリウッドキャストを揃えて撮った「いつもの」。
恋人に裏切られた女が、優しいカフェの店主に心惹かれながらも吹っ切れず、放浪して帰還するというストーリーが流れる景色と官能的なショットで語られる。
ノラ・ジョーンズに惚れ込んでの起用だろうが、残念ながら王菲のような輝きはない。しかも見た目被りのレイチェル・ワイズが珍しいだらしない悪女役を好演しているので分が悪い。ナタリー・ポートマンも嘘つきなギャンブラーというほかの監督なら振らないであろう役を貰っている。
いつもと違う撮影現場でもちゃんと力量を見せた二人の上をいったのはジュード・ロウ。トニー・レオン用の「待つ男」をよれた姿で演じている。あの美貌で「ロシア女に振られて人の鍵を預かり続ける冴えないカフェオーナー」に説得力を与えるのはとても難しいと思う。
クリームの溶けるブルーベリーパイのエッチなこと。眠れるノラの上から不自然な形でキスして、クリームを舐めとってやるジュードの真摯なこと。うっとりさせられる。
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