ぱりぱり

マイ・ブルーベリー・ナイツのぱりぱりのレビュー・感想・評価

4.0
本は忙しいときにこそ読むものだってなんかに書いてあったけど、映画も同じだなと思う。実際の人生が平坦でつまらないときには映画や本ではなく人生に集中する必要があって、逆に人生がわちゃわちゃしてきた時こそ映画と本が必要なんだと思う
最近多分いい意味で人生が忙しくなってきて、映画とか本に依存する必要がなくなってすっかりご無沙汰していたけど、久しぶりに見るとなんかいいな〜
大人になって深く交わる人のサークルが狭くなってきたからこそ、映画とか本でいろんな新しくて懐かしい世界を見られるのかも

人と関わることって原理的には面倒なんだけど、希望はそこにあるんじゃないかて私は最近信じるようになった
エリザベスも絶対関わったら「ヤバイ人」にしかはじめは見えないし、途中で出て来る人たちもそう
でも、傷ついてる人ってだいたいそうだし、傷ついてるのに表面上を繕わなきゃいけない世界なんてつらい

私も実際難しいなと思うのはどれだけ相手に寄り添うか。大変な時期を過ごしている人の話を聞くと、話を聞いた人にどうしても思い入れを強くしてしまって、その人が傷ついてる原因の人に対しては怒りとは言わないまでもマイナスなイメージを持ってしまう、
もちろんその傷ついた原因の人(傷つけた人)もそれなりの苦労を背負って生きてるんだし、本人と関わったことがないのにその人に勝手にあれこれ思うのは、奢りともいえるだろうけど、頭では分かってるつもりでも態度には出てしまうよな〜ていうか、これは仕方ないから頭の片隅で理解しておけばいいのかな
でも、エリザベスは自分が話を聞いた人、を傷つけた人、に対しても受け入れるキャパシティを持ってる、というか自分が傷ついてたからこそできたことなのかなと思う、まあある意味狂気だけど、物語で見る分にはその危ういところが美しいとも言えるのかもしれない

急に旅に出ちゃうところとか、送り元を明かさない手紙とか、ウォン・カーワイだな〜て思った、やっぱりウォン・カーワイはいいわ