さく

ベスト・キッドのさくのレビュー・感想・評価

ベスト・キッド(1984年製作の映画)
3.5
先日、Webセミナー受けた際に講師の人が本作を例えに「成功体験の重要さ」みたいなのを語っていて、そういえば色々ネタとしては知っているけどしっかり鑑賞したことなかったな、と思い。

自身、40歳を超えてほんとに人の名前が出てこない! 映画見てる最中からして「あれ? この人の名前何だっけ?」とななります。とか書いているうちに思い出した、ミヤギさん。

イメージ的には、弱隠キャが修行して強陽キャに勝利して女ゲットだぜ、的なものを想定していたが、本作は違った。じじい(ミヤギさん)萌えを楽しむ映画だった。子供の頃見ていたらそういう見方はできなかっただろう。ともかく、ミヤギさんがかわいい。謎の盆栽部屋で楽しむミヤギさん、船を揺らしてダニエルを落としてはしゃぐミヤギさん、マス大山ばりにビール瓶を手刀で叩き切るミヤギさん、酔い潰れるミヤギさん、誕生ケーキを用意してはしゃぐミヤギさん、ルールを聞かれ即答で「知らん!」と言い切るミヤギさん、何の商売しているのか謎すぎるミヤギさん、ラストも何故かミヤギさん、あんなミヤギさん、こんなミヤギさん。

是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』を見た時に、これは樹木希林さんのIV(イメージビデオ)だ、と思いましたが、それに近いものを感じました。志村喬萌えみたいなのにも通ずるものがあります(余談ですが、ミヤギさん役は(三船敏郎さんにもオファーがあったそうですね)。

一方、主人公であるはずのダニエルは終始イラッとさせられるキャラで、一つも応援する気が起きない。ライバルのジョニーの方を応援したくなる。ちょっとだけかっこよかったのは、「ミヤギさんの告白」のシーンの後に夕日を背に修行しているシーンと、最後の雷電(男塾)キックくらいのもの。ヒロインのアリもあまり可愛いとは思えず、しかも散々、「私は住んでいる家とか乗っている車とかどうでもいいの!」とかフラグを立てておきながら最後には高級車を前に「素敵!」とあアホか! このビッチが! すみません、取り乱しました。どっち取るか言われたら私はミヤギさん選びますよ。

「人生にはバランスが必要」(参考文献 民明書房刊『よくわかる良い人生の過ごし方』) 人として軸がブレている私には無理そうです。
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