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スパイクス・ギャングのHKのレビュー・感想・評価

スパイクス・ギャング(1974年製作の映画)
4.0
久しぶりに鑑賞。初見はTVの「月曜ロードショー」でもう40年以上前です。
西部の強盗団スパイクスとその一味を描いたウエスタンであり、夢を抱いて田舎を飛び出した3人の若者の青春映画でもあります。

解説の荻昌弘氏が、人気絶頂期のリー・マーヴィン(当時50歳)がこんな役をやるなんて...と言っていたのを思い出します(本作でもですが、荻氏はよくエンディング後の解説で涙ぐんでましたね)。

スパイクス(マーヴィン)の手下となる3人の若者には『おもいでの夏』でデビュー後は『男の出発』『ビッグケーヒル』と西部劇が続いたゲイリー・グライムス(当時19歳)。
『アメリカン・グラフィティ』の直後のチャーリー・マーティン・スミス(当時21歳)と同じくまだ名監督となる前のロン・ハワード(当時20歳)。みんな若い!

監督のリチャード・フライシャーは60本からの映画を撮っている職人監督ですが、作品にかなりムラもあります。
私が観た作品はたかだか1ダースほどですが、その中でも本作は個人的にはベストの部類に入る大好きな作品。

師匠と弟子の対決映画は数々あれど本作は珍しいパターン。
やはりアメリカン・ニューシネマの影響か、スパイクスを信じてついて行った若者たちと、祖国を信じてベトナム戦争に行った若者たちの境遇が重なって見えます。

本作を観ていて、三人の若い百姓が田舎を飛び出して渡世人になる市川崑の『股旅』を思い出したりもしました。
最近では『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のウディ・ハレルソンが本作のスパイクスの役回りに似ていましたが、この映画の監督がロン・ハワード。偶然?

チャーリー・マーティン・スミスが撃った弾が全然当たらないので眼鏡を買ってもらうシーンがお気に入りです。
私もド近眼なので。
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