このレビューはネタバレを含みます
多分20代前半の時、一度観ていて、衝撃の作品だったのを覚えていた。
久しぶりに観たくなり、この独特の間と音楽や言葉の無駄のなさ、何より兄弟役のお二人の演技が素晴らしい。
表情で感情がみえてくる作品。
わたしにもきょうだいがいて、姉と自分はいつも比べられてきたなと思う。
とても真面目で優しくて、わたしの事を大好きでいてくれる姉。
兄にも、ご近所の子にも可愛がってもらえたり。時には年上の女の子に小さいからって、いじわるされたこともあったけど、それでも自由にやってきた自分。
自分の思い通りにしたい、わがままが通ると思うようなタケルの気持ちがわからなくはないが悲しい。
そして、何が真実だったのか?
法廷、時折おかしくなる兄の狭間で、ゆれる。
タケル役のオダギリジョーの泣く演技や、最後の表情もとてもリアルだった。
お兄ちゃん役の香川さんは言うまでもなく。笑っているのか?サイコパス的なのか?わからないあのお顔…
こっちも最後までゆれる。
きょうだいや家族は、いろいろあってもお互いを気にしていて、時にはうらやましいとか、寂しくなる気持ちを隠しながらも、
絆がたえないよう細い糸で繋がっていると感じた。
観る方によってもいろいろ捉え方は変わるだろうし、何回観てもいろんな気持ちになるだろうなと思う映画。