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ゆれるのtAeKoのネタバレレビュー・内容・結末

ゆれる(2006年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

猛は、自分と違って真面目で周りの評価も良くて、親の愛を独り占めして生きてる稔が、心の底では憎い。自分のしりぬぐいをされてるのが嫌だった。
ちえと寝たのも、ちえが好きだからじゃなくて、兄に勝ちたいから。親の愛を、周りの評価を取られてきたことへのしかえし。
、、、橋の上からちえが落ちたとき、ちえのところに行くかと思いきや、救急車を呼ぶわけでもなく、見ていなかったふりをして、兄のところに行ってどしたの?と言ったのも、お金を払ってまで裁判をしたのも、、、責めたりけなしたりすること以上の怖さを感じた。


✳︎いい人のレッテルを貼られ、壊れないように守ってきた人が、一回失敗したことで、崩れていくのが気持ち良い。一旦崩して失うことで、自分の中で吹っ切れて、新しく作っていくことができる。中途半端な位置で葛藤してる時が一番辛い。稔の気持ちに共感できた。
刑務所から出てきた時の稔は、ペコペコして自信のなさそうなかつての面影はなく、堂々としていた。


俳優さんたちの演技がすごかった。言葉の裏に隠された気持ちが伝わってきて、、、この俳優さんたちだからこその映画。
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