シートン

ゆれるのシートンのレビュー・感想・評価

ゆれる(2006年製作の映画)
3.7
すべては、母親がいなくなったことから始まっている、
兄弟の母親が亡くなって、兄は洗濯・炊事のすべてを担う。弟は帰郷する。しかし、食卓にはひとつ空席がある。父と子は衝突する。
あるいは智恵子の母親は再婚して、家を出て行く。
そこからそれぞれの関係に不協和音を来たしていく。

兄が洗濯をするようになり、兄が収監されると、父が洗濯をする。
智恵子の遺品のスタンドのジャンパーは、洗濯物として返却される。
そのことが象徴的に、母の不在というものを暗示している。

結末部においても、アルバイトの青年は結婚して子どもまでいるのに、父も子も独身のままである。この物語は女を失った家族の崩壊を描いている。

このような見方は図式的に過ぎるが、もとより物語の設定がやや図式的であるようにも思える。
シートン

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