フラハティ

LIVE FOREVER リヴ・フォーエヴァーのフラハティのレビュー・感想・評価

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英国はロックと共に…。


時は90年代、イギリス。
多くのレジェンドバンドを排出し続ける大国。
既存のUK音楽は模索を続けていた。
USの音楽がUKの音楽を潰し、60'sの輝かしきイギリスの音楽は消えかかっていた。

伝説的バンドThe Stone Rosesの登場。
グランジの登場。
カートの死。
そして現れる新しい風。
『トレインスポッティング』という素晴らしき英国映画。

60年代に音楽界が最高に盛り上がっていたThe Beatles vs. The Rolling Stonesを思い起こさせる二つのバンドが登場する。
労働者階級、中流階級の彼らは素晴らしき文化“ブリットポップ”を英国にもたらした。


ブリットポップという、瞬間的なムーブメントに焦点を当てられた本作は、ロック好きには大変興味深いし、当時についてOasisとBlurの両者にインタビュー出来ているのは貴重。
けどあっさりしすぎ感あり。もっと広いアーティストたちにインタビューしていたりすればより面白かったと思う。
Oasis vs.Blurの構図をメイン(ブリットポップにおける最大の語り口だからしょうがないが)にしており、政治的に利用されたブリットポップという題材も面白いんだけど、やっぱ物足りないなぁ。
当時あれだけのバンドがいたけれど、ヒットしたバンドはそこまで多くはない。
そんな部分にもう少し焦点を当てたりしても面白かったのでは?


ギャラガー兄弟の当時をバカにしたような話し方も、デーモンの憔悴した表情も、ジャーヴィスの寂しさも、あの頃燦然と輝いていたのが嘘のよう。
音楽が政治に利用され、このムーブメントは今では腫れ物のように扱われているように映る。

あの瞬間最高に輝いていたと同時に、あっという間に終焉を迎えたという焦燥感。
文化はマスコミが作り上げるとはよく言われることだが、本作の“ブリットポップ”もメディアが作り上げたものかもしれない。
たとえそうだとしても、素晴らしき音楽たちが存在していたことは事実で、今でも多くの人々に愛されている。
この時代がなければ、この先も永遠に生き続ける素晴らしき音楽たちは生まれることはなかったから。
そう、彼らの音楽は『永遠に生き続ける』のだ。


ブリットポップをクソだって当時のバンドたちや、世間は評価しているみたいだが、この当時がなければBlurは今のように多様なジャンルの楽曲に手を伸ばしていなかっただろうし、Pulpは埋もれたままだったかもしれない。
Oasisは変わんないだろうな。

“You and I are gonna live forever”
“I want to live with common people”
“Hand in hand through their parklife”
フラハティ

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