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名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2008年の日本の作品。

監督は「名探偵コナン 天空の難破船」の山下泰一郎。

あらすじ

高名な元ピアニスト堂本一輝によって創設された堂本音楽アカデミーの練習室が爆発的され、アカデミー一期生が2名する事件が起こる。事件の翌週、新しい音楽ホール、堂本ホールのこけら落としの見学に誘われたコナンたちはそこでソプラノ歌手の秋庭玲子と知り合ったことで、彼女がコナンが通う帝丹小学校のOBだったこともあり、合唱の練習を見てもらうことになるのだが、その帰りに彼女が何者かに襲われてしまう。

この時期になると軒並み映画ファンだけでなく、映画にあまり興味がない層も軒並み観客動員数を持っていくモンスターシリーズ「名探偵コナン」。今年も最新作「100万ドルの五稜星」公開に合わせて、配信サービスも軒並み過去のコナン映画を配信ということで、まだ観ていなかった中から本作をチョイス。

お話はあらすじの通り、タイトルで分かる通り、今作のテーマは「音楽」。ちなみにタイトルの「戦慄」は「旋律」にもかかったダブルミーニング的意味合いもあって、やっぱコナン映画はタイトルが凝ってるよなぁ。

で、冒頭、今作のゲストキャラが多数在籍する堂本アカデミーのシーンから始まるんだけど、まず全然本作の内容と関係ないけど、YouTubeで観た「実写版・名探偵コナンのヤバいドラムのやつ」の元のシーンってこれだったのかぁ笑!!確かにオリジナルを観てもあの一切表情の変わらない硬直した笑顔のまんまありえないスピードで右手のスティックだけものすごい速さで叩いていて(何拍子なんよw)、マジでこれだけ観ても面白い。

で、のっけからくだんの堂本アカデミーの一期生3人が犯人の仕掛けた爆弾によって爆発事故に遭い、そのうちの2名が死亡と、おいおい、今作の犯人はのっけから飛ばすねぇ。

つか、今作の犯人、後述する玲子の水筒に毒薬じゃないけど、喉の炎症を起こす薬を混入して、それを誤って元太が飲んじゃったり、狭い路地でトラックで追い回したりとなかなか容赦がないな。

それ以外にも今作の犯人は主に爆弾を使ってターゲットを次々に始末していき、その流れの中で、今作のメインゲストキャラの秋庭玲子が狙われて、主人公コナンは彼女を守ろうとするのが主な流れ。

この玲子ってキャラがなんつーかツン8デレ2くらいの割合の、かなり性格キツめなストイックなキャラクターで歴代のゲストヒロインにはなかなかいないタイプだったこともあって個人的にはキャラ立ちもしてたしで、なかなか好きなキャラクターだった。ただ普段の服装がキャラクターにも年齢にも合っていないような若めの残念ファッションでちょっと面白かったけど、その残念具合もまたギャップがあってなんかかわいい。

で、ちゃんと「音楽」というテーマ性を生かした要素が盛り込まれていくんだけど、初めは邪険にされながらもコナンが玲子をボディガードばりに守っていく中での終盤のダムの救出シーンが印象的。犯人に後ろから殴られて2人とも気絶させられたままヨットに乗せられて放置されてしまうんだけど、助けを呼ぶために手の届かない位置にある固定電話を使おうとして、ボール放出ベルトで受話器を外した後、絶対音感を持つ2人が電話が通じるまでのわずかな時間を使って「ピッポッパ」の音をDTMF信号を使って発するという、かなりの離れ業で脱出してしまう!

これ、現実に可能性なのかな?つか、仮にも絶対音感持ってても、事態は急を要する一発勝負でやってのけちゃうって普通にやばいよな。今の派手さはないけどコナン映画のトンデモ描写を連想させるシーンだった。

他にも犯人がホールに仕掛けた24個の爆弾が次々と爆発して、最後はホール内部を爆発させるという狙いを阻止するために玲子が名曲「アメージング・グレイス」を歌唱して、爆発の起動スイッチと連動しているオルガンのキーを押させないようにしたり、その玲子の歌唱によって蘭がかつて新一との仲直りのきっかけとなった思い出を原風景として思い出すシーンとか、かなり音楽というものを効果的に使って話を盛り上げてて感心してしまった。

ただ、今作の犯人の犯行動機がなかなか理解し難い笑。仮にも連続殺人を犯していて、息子まで間接的とはいえ殺されてるのに、むしろ自分が蔑ろにされたことの方が主だっていて、いや思考としてやばすぎだろwまぁコナン映画は過去にも犯行動機が「え?それだけで?」となったこともあったけど、いや、やっぱ理解できん!!

というわけで派手さはないけど、手堅く仕上げたなぁという感じでそれなりに楽しく観れました。
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