井上

ツレがうつになりまして。の井上のレビュー・感想・評価

ツレがうつになりまして。(2011年製作の映画)
4.3
彼女と別れて数ヶ月、毎朝かなりの鬱に悩まされていた私は、そういえば鬱がテーマになった映画があったなと思って鑑賞。

すると嫁に支えられることによって旦那が徐々に鬱を治していくというストーリーで、私の鬱を加速させるようでした。。。

失恋鬱の方は結構注意ですねこの映画。

ただ私は結構この映画好きです。ゴミ箱捨て場の前で立ち止まるとことか料理もできなくなるほど無気力になってしまうところとか、私にとって「リアル」な感じがします。

カメレオンは人は環境によって姿形(ここでは精神状態)を変えるという意味のメタファーでしょうか?
この前読んだマークトウェイン『人間とはなにか』の一節に、

人間はカメレオンである。政治意識、趣味、道徳、宗教、こうしたものを何一つ自分では作っていない。付き合いが決めているだけ。

というのがありましたからそんなふうに思いました。
この映画と合わせて考えると、支えてくれる人のいる環境に身を置くことがどれだけ大切かがわかります。ツレが薬局で会ったあの離婚鬱のおじさんはその環境の中に身を置けているのでしょうか。
2人の存在が対比的にも見て取れたので、とても気になります。

PS
宮崎あおいがツレの手を服の中に入れて胸を触らせて「あったかいでしょ」みたいなシーンがありましたが、どんな意図だったか気になります。
普通に手を握って終わるシーンだと思ってたので。あそこで服の中に手を入れることでさらにツレの生への意志を喚起させようとしたということでしょうか。だとすれば、なんというか、健気なシーンですね笑
井上

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