リッジスカイウォーカー

ツレがうつになりまして。のリッジスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

ツレがうつになりまして。(2011年製作の映画)
4.0
これは妻の愛のお話ですね。
結婚とはいいものだなと、男性目線では思いますが、女性から観たらどう思うのか聞いてみたい。

マジメで責任感の強い人が、理不尽に晒されてモヤモヤするも、社会的責任と大人ならこうするべきの狭間で葛藤し、心が病んでいき体が蝕まれていく様は決して他人事ではなく、いつ何時自分も鬱になってしまうかわからないのが、今の日本社会。

まぁ現実「どうしようもないどうしよう」は度々訪れまして、その度に現実逃避したくなるけど、逃げるとそれはまたそれで大変になるので、走りながら答えを見つけていっています。

自分ではどうしようもない部分も、偶然に助けられて首の皮一枚で繋がって今がある。

現状がまた崩れたら、またドン底になってしまうので、そうならないように、今できる手立てを打っている感じです。

いや、これ、結構無理ゲーで。

要はレールから外れた場合のリカバリが時の運なんですよ。
社会全体で救済できるようにはなってない。

なので頼れるのは、今まで築き上げてきた人間関係と経験しかないのです。


この物語も、妻がいなければ社会復帰は難しかったでしょう。


こういう綱渡りの中で私たちは生きている。
この現状を変えることができない日本社会。

何で詰むかはわからない、という認識をした上で、今日も生きていくしかない。


映画はとても良い話でまとまっています。
だからこそ良いと思う。
生々しくしたら、それこそ鬱を誘発しそうです。

堺雅人さんの演技が圧巻。
彼だからこそ感情移入してしまい、現実に絶望してしまった上での行動に、目頭が熱くなる。


人間ってさ、追い詰められたら、何をしてしまうかわからない怖さがあるよね。