Enough

ツレがうつになりまして。のEnoughのレビュー・感想・評価

ツレがうつになりまして。(2011年製作の映画)
3.5
当たり前だけど、人には向き不向きがある。
その向き不向きは、人や社会との関わり方のタイプによって変わるものだと思う。例えば、いくらサッカーでシュートを決めるのが得意だったとしても、チームプレーが得意じゃなければ、サッカー選手にはなれない。いくら勉強が得意でも、初対面の人と瞬発的なコミュニケーションを取るのが苦手であれば、営業は向いてない。そうした適正がうまく当てはまれば、うまく仕事ができるし、また逆もしかりだ。

だけど、今の世の中では成功するためのルールが少な過ぎる。この映画の主人公も、自分のタイプと向いてない仕事を続けて鬱になってしまう。そうなってしまったのは、誰かのために頑張ることを優先して、自分を置き去りにしてしまったからに他ならない。自分を置き去りにするのをやめて、自分ができることを広げて行った先に、主人公はこれまでとは違う関係性を社会と築くことに成功する。

もちろん、誰もがそういう決断をするのは容易ではない。お金の問題が特に大きいだろう。だけど、それを乗り越えると自分らしく生きれるようになる。実話を元にしただけあって、希望を感じられるような映画だった。
Enough

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