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ツレがうつになりまして。の輪のレビュー・感想・評価

ツレがうつになりまして。(2011年製作の映画)
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お家のインテリアや、
夫婦の掛け合いが面白くて
安らぎながら観ることが出来る。
体調が悪い時に、ゆっくり横になりながら。

それこそ鬱の回復期の鑑賞に、
良い映画だと思う。

結婚5年目で、伴侶が病気になる状況は
けっこうきつい。
相手との関係性によるけど、
その人と居ることに
嫌気が差している頃だったら
見捨てたくもなるのかもしれない。

逆に、パートナーが病気になったことで
どれだけ大切な存在なのか、
身に沁みることもあるだろう。

結婚するべきかどうか、
結婚生活を続けるかどうか、迷いが生じたら
その人が病気になった時に
介護できるかどうかが鍵。

どんな時でも自分が働いて、
支えて行けるのなら一緒に居られる。
精神的にも経済的にも、
自立出来ているかどうかだ。
そうじゃないと助けられない。
相手に頼る為の結婚は、不幸を呼ぶ。


〝ツレ〟が回復期に死のうと
してしまう様子、
あれは本当に起きやすい心の動きで…

あんなふうになったことがあり、
どんなに危険な状態だったのかと
客観的に見ていても恐ろしくなる。
あっという間に、簡単に自己存在が消えて
しまう弱った状態。

健康な人は、
回復期に自殺のおそれがあると
頭ではわかっていても
何がきっかけになるか、まではわからない。

「こんなことで死ぬなんて」と、
後から茫然とするだけで
取り返しがつかなくなる。

心の病の人を支えているかたは
一瞬一瞬を、一緒に大事に過ごすことに
集中していてほしい。
そうすれば、その人は
居なくなったりしないから。
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