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フェリーニの道化師のmiwanのレビュー・感想・評価

フェリーニの道化師(1970年製作の映画)
3.7
映像と字幕がズレていて、ちょっと(だいぶ)気持ち悪かった。

お目当てのピエール・エテックスの出演は少しだけだったけれど、道化師たちの喜怒哀楽ふんだんのドタバタを存分に見ることができた。もともとドタバタの笑いがあまり好きではないけれど、計算し尽くされたハチャメチャぶりは本当にすごいなと思う。
下品な笑いも好きではないけれど、すべてが上品だったら人間らしさの面白味も半減してしまうのだろう。
いがみ合っていた二人がやにわにキスするとか、どこかで見たことのあるシーンもあったりして、今あるコメディの原型でもあるんだなと改めて感じた。

たくさん登場する道化師の中でも、白い道化師がファッショナブルでスマートで素敵だった。また、最後の大団円に登場する馬(二人で馬の被り物をしている)や馬車、消防車などが絵本からそのまま飛び出してきたみたいで本当に可愛かった。
そして、大喧騒の後のトランペットによる「ひき潮」のメロディーが、道化師たちの哀しみや憂いをすべて表しているようだった。
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