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どんてん生活のleylaのレビュー・感想・評価

どんてん生活(1999年製作の映画)
3.8
好きな監督の処女作を観るのが好きです。これは山下敦弘監督の卒業制作にして初の長編デビュー作。卒生とは思えない出来。監督のエッセンスが詰まってました。

タイトルどおり、曇天のような生活をしてる男たちを描く。パチンコ屋で出会ったリーゼントの男に誘われ、フリーターの努は裏ビデオのダビングを手伝うことに…

まだ若いのに行き詰まった暮らし。本来なら会社に就職したり、夢に向かって頑張るとかいう年頃だろう。彼らは自らこの曇天生活をしていて、自堕落に生きている。別にキラキラな暮らしに憧れたりもせず、多くの人は実はこんな感じなんではないかな。狭い汚部屋にダラダラと生き、それでも後ろ向きにはならず、ささやかな幸せを感じたり、人生はそれなりに楽しい。

何とも言えない気まずい空気や、リアリティの中に見え隠れする映画という虚構の度合いがちょうどよく、山下監督はやっぱり好きだなぁと思う。
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