【ヌルい空気】
エンタメとしての完成度は『ばかのハコ船』の方が高く画面も見易いのだが、これはこれでクスクス笑えて山下敦弘らしくダラ〜ッとした長回し映像がクセになるモラトリアム人間同士の友情もの。
『スケアクロウ』や『さらば冬のかもめ』へのオマージュなども散りばめられていてニューシネマファンには堪らない味わいがある。
９０年代末期の終末的な雰囲気が強めでどこを切っても貧乏臭い画面になっている。また赤犬の音楽も脱力感満点で良い。このような自堕落な生活を語ることは政治を語ることと一緒なのだ！という裏テーマもある。意外と深い作品。
