32作目。
徐々に下降線を辿る寅さんシリーズのなかで現れた傑作。
個人的に寅さんベスト3を選ぶとすると、これとハイビスカスの花と浪速の恋になる。
この3作に共通するのは、寅さんがモテて耐えきれず逃げ出すところ。
特にこれはラスト柴又の駅でのやりとりが絶妙だ。
マドンナの竹下景子さんは、当時超人気者だっただけあり、とても良いのだ。思い詰めた表情で寅さんの袖を引っ張り、腰のひけた寅さんが必死ではぐらかす。ふられる終わりかたより、せつなさに満ちる。
寅さん 55歳
さくらさん42歳
竹下景子さん30歳
中井貴一 22歳
中井貴一も好青年の時期があったんだ。