ヴィンセントヒロ

転々のヴィンセントヒロのレビュー・感想・評価

転々(2007年製作の映画)
4.0

 "東京の思い出の場所の半分は、コインパーキングになってる。"
 
 二人揃って散歩の途中、竹村(オダギリジョー)の育った阿佐ヶ谷の
実家が更地になって、何か建つのかやり取りされるセリフ。
 
 まさに同感です。最近はコインパーキングが多い。 

 話は、借金苦の崖っぷち大学8年生の竹村文哉と、その借金取り福原、又の名は田中(三浦友和)の二人が、東京の井の頭から桜田門までを、ゆっくり気ままに散歩するというもの。
 軽妙洒脱な会話と、緩くのんびりとした空気、個性が大爆発している登場人物。話のわりと最初、唐突に告げられる散歩の理由。
 不思議で、何故か感傷的になる後味の映画でした。
 ダミーの母親。イミテーションの妻。なんて言葉もでて、絶妙ないいまわし。 "岸部一徳を見ると一日幸運になる"とか都市伝説?もあります。麻紀子(小泉今日子)のスナックが"時効"という店名だったり、その姪の名前が" ふふみ "(吉高由里子)とか、もう腹いっぱい❗
 最後に気なったセリフを一つ。
" ジョン・マルコヴィッチに似たレジのユミちゃん " ……見たいわ‼️