はんそく負け

河口のはんそく負けのレビュー・感想・評価

河口(1961年製作の映画)
3.5
画商・岡田茉莉子と山村聡の掛け合いが面白く笑える映画だが、そうは言ってもあまりに茉莉子の映画であって、これ!という画面がないような気はする。ただモヤがかかった横浜の港を捉えたターナー的、いやちょっと違うか、少なくとも印象主義的な船のショットはバチッと記憶に残る。なんでタイトルが『河口』なのかと思えばラストシーンが河口で、そこでもやはり海に浮かぶ船が素晴らしく、茉莉子の映画でありつつ、絵画の良さもきっちり織り込んである映画だったように思う。