セガール幹事長代理

マッチ工場の少女のセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)
3.0
飲みに行っても全くナンパされない女性が奮発してきゃわたんな服を購入、一気に垢抜けてハゲたおっさんと一夜をともにすることに成功するも、そのハゲがしょうもなかった話。

一体いつ少女が出てくるんじゃ、まあこないだ電車の中吊り広告にアラフィフ女子(※)とかいう広辞苑に載ってない謎の造語を目にしたので男側も色んなことに目を瞑る時代に突入したのかもしれんな、という類のことを書こうと身構えていたら中盤から一気に恋はthrill,shock,suspenseのわんこそば状態に突入、良い意味で裏切られました。

(※)最高裁の判例によると「民法改正により成年擬制の規定が撤廃された今日において少女または女子とは18歳未満の女性を指し、例外的に学業に従事し且つ就業していない25歳未満の処女を含む」と定義付けられる。

ハゲたおっさんは一晩の遊び、というスタンスで抱いた後の女の枕元に金を置いて立ち去るんだけど、女は方向性を間違えた純真を持ち合わせていて金に気づかず男に惚れる、というのが本作の流れだ。
私は結婚まで貞操を守ってきたタイプの日本男児なので(離婚したが)このおっさんの立場になることはできないが、結局のところ「いい女」と「都合のいい女」の違いとは何かを、作品は我々に問いかける。
行為後にタバコに火をつけても文句を言わない、街ですれ違って知らん顔してくれる、はたまた寝起きにコーヒーとフレンチトーストを出してくれるのがいい女なのか。普遍的なテーマである。
というか、あっちの人って会って間もない人を平気で自分ちに泊めますよね。お国柄なのかわかりませんが理解に苦しみます。

あんま関係ないんですが、自分の知ってる世の中の女っていうのは「ユニバの女」と「としまえんの女」の二種類が存在します。
ユニバって恐竜やらサメやらのアトラクションがあって、挙げ句の果にはワンピースのパレードやサイゼ、たこ焼きの屋台まで「こんなんもありまっせ」ってな具合でとても華やかです。それに対してとしまえん(閉園)は寒々として、メリーゴーランドは錆び、ジェットコースターの鉄骨はきしみ、飲食店の店員もどこか表情筋が死んでいます。
これを女にあてはめると、ユニバの方はすぐベッドインできます。でも次の日からエルメスやらシャネルやら、ねだって来ます。
対してとしまえんは一回目の食事ではどう転んでも粘膜の接触まで到達できません。場合によっては親御さんへの挨拶後でなければお泊りは叶いません。でもデートのあと「今日はごちそうさまでした」って必ずラインくれます。
遊ぶならユニバ、結婚するならとしまえん。これだけは覚えて帰ってください。一体私は何の話をしているんでしょうか。

社会科見学は工場派の人におすすめ。