みかんぼうや

マッチ工場の少女のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)
3.8
え!アキ・カウリスマキってこんな作品も撮っているんだ。フィルマや世間でのこの監督に対するかなりの高評価に対して、「希望のかなた」も「パラダイスの夕暮れ」もいまいち面白さが分からず、本作が楽しめなかったら、この監督の作品はもう観るのを止めよう、と思っていた中での本作。面白かったです。

前半は、先に観た2作品同様のアキ・カウリスマキの淡々とした演出と刻々と流れる時間に「やはり今回も楽しめないか・・・」と思っていたのですが、中盤以降の展開が意外な方向へ。このどブラックな内容と、言葉数少なく淡々とした空気感が見事にマッチしていて、多くを語らずともエグさが伝わってくる、面白い作品でした。長さもコンパクトでちょうど良かったです。

これでマイリストに入れていながらもう観るのを止めようかと思っていた「浮き雲」と「過去のない男」も、また一気に観たくなってきました。
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