ハローダギー

マッチ工場の少女のハローダギーのネタバレレビュー・内容・結末

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

内容だけを取り出してしまえば、暗く救いのない物語。台詞が極端に少ないながらも、何とも言えない画の美しさ、そして、たまにかかる音楽の良さで、スクリーンに惹きつけられてしまう魅力のある作品です。

私が今まで観てきた中で、暗く救いのない映画としては、ロベール・ブレッソンの『少女ムシェット』や『パルタザールどこへ行く』が思い出されるのですが、カウリスマキ自身もブレッソンを敬愛しているとのこと。おそらく影響は受けながらも、この『マッチ工場の少女』には、カウリスマキらしさとしてのブラックユーモアを随所に感じました。

報復の手段として殺鼠剤、というチョイス。恐ろしい。

酒場で、自分に対してあの男性と同じようにたまたまナンパをしてきた男性のグラスにも、殺鼠剤を入れてそそくさと立ち去るシーン。単に振られたと思った?男性が、少し残念そうにニコニコしながらくいっとグラスから流し込み暗転する画面が忘れられない。