マッチ工場で働きながらも夢を見る少女の転落劇。
セリフがほとんどない映像の中、主人公イリスが見せる悲しげな表情と存在感がすごく好きな映画だった。
アキカウリスマキ監督の映画は以前にも一度見たことあったけど、その時の印象もセリフがあまりないことだった。これは僕の好みで、あまりセリフが多くない映画の方が好きなんです。
この映画も特にこの映画は最初のシーンでイリスがどこで働き、家ではどういう状況なのかセリフもなく、ただ食卓で見せる淡々とした動きで、ああ、あまり環境は良くないんだというのがすぐわかった。
この映画はセリフよりも行動の中が中心で、そこに大きなドラマが動いている。
だからこそ、最後のイリスが起こす行動がすごくドラマチックで面白い。
淡々と起こすその行動にイリスの覚悟も見え、家族を前にタバコを吸うシーンは後悔のようなものも見えている気がした。個人的に思ったことですが。
この1時間ちょっとという映画としては短めなのにすごくドラマチックな悲劇ですごく面白かったし、好みだった。