Ark

マッチ工場の少女のArkのネタバレレビュー・内容・結末

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

2024-78
マッチ工場で働きながら親と暮らし家事も一人で行っているイリスはある日ドレスを買うが、怒った義父に平手打ちされ母親には返金を求められ、とうとう家を出てディスコへ。そこで出会った男にも裏切られ……。



想像と違って結構重くて暗かった。これまで観たカウリスマキ作品はどれもどんなに暗くてもユーモアがあってクスッとできてたけど、本作はひたすら暗い。

闇が深い……。イリスはただただ毎日働いて、家事をして、真面目に生きてきただけなのに。
だけど現実も似たようなもので、世の中は真面目に頑張る人が苦しむようにできてる。

タイトルでは「マッチ工場の少女」だが主人公は大人の女性。あえて「少女(girl)」なのは、彼女が少女のように純粋だからかな?とか思った。

理不尽が横行する世の中でのサバイヴは極めて困難だしめちゃくちゃ受け入れたくないけど、受け入れないとやっていけないのも事実……。
本作では真面目に頑張る純粋な人間が直面する理不尽と、それに対し素直に怒りを表す姿が描かれている。
特に、主人公が社会的に立場の弱い女性ってところがいい。そしてこの脚本を書いたのが男性というところもまたいい。

どんどん毒を盛ってくイリスに、どんだけ盛るのってクスッときちゃった。
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