両親の愛を知らずに育った工場労働者の女性が、一夜の火遊びを経て妊娠。自分を捨てた男を毒殺し、シリアルキラーと化すまで。アキ·カウリスマキの個人的ベスト3に確実に入る一作。オープニング直後の、マッチ工場の生産ライン（のみ！）を映した長めのショットに心惹かれ、最初から最後まで誰一人救われない鬱々としたストーリーで完璧に魅せられてしまった。ラスト付近、バーで声をかけてきた男に涼しい顔をして猫いらず入りお酒を振る舞って帰り、その後はまさかの、、全編表情だけで演技をし、ほとんど無言のまま人を殺しつづける主人公の静かな狂気がお見事ですね。
