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甘い生活のENDOのレビュー・感想・評価

甘い生活(1959年製作の映画)
4.0
凄まじい数の狂乱が只々ロングショットで繋がれる。人間はどんな場面もつなぎ合わせて物語を紡いでしまうものらしいが、それを拒絶する人生に飽きた真の酔っ払いたちの堂々巡りが続いてゆく。知識人スタイナーの家でのパーティには、エコール・ド・パリのミューズ、ボヘミアンの生き方を撒き散らすアイリス・ツリーが本人役で登場。そのあとにはフィールド・レコーディングされた雷鳴。聖母を見たという子供たちを囲むマスコミ達のうねり。エクバーグ、エメー、フルノー、ノエル、ベッティ、パオラ、ニコとにかく女性たちがエピソードごとに通り過ぎてゆく。巨大エイの眼差し。親友の自殺や父親との距離感、恋人との虚しい愛の囁き。飲まなきゃやってられないとしても、この酩酊地獄は身体に悪い。起きたことは何一つ覚えていられない映画。
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