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コタンの口笛のmasanaのレビュー・感想・評価

コタンの口笛(1959年製作の映画)
4.2
完全に「名作」です。
まぁ高純度の胸糞連発なのですが。
差別もあるけど、それ以前になぜこんなにも報われない?!
「俺とお前は今から血を出すんだ!」
「あいつを殺して、俺も死ぬ。」
あの歳にして伝統のために死を覚悟できるユタカの肝の座りっぷり、男らしさに泣いた。マサと先生の関係には「初恋のきた道」に黒さを足したようなほろ苦さと歯痒さを感じた。
志村喬先生も美術の先生の葉書も、結局差別的というか、これを言い出したらキリがないけどね。

今作は、昔のアイヌから新しい時代に変わる寸前の時代背景だったように感じた。
自分が優位に立つためなのか?

私自身道東出身、祖母樺太出身なのもあり
幼い頃からアイヌの文化はいつもそばにあるものでしたが、今回改めて当時の「和人とアイヌ」の関係を考えされました。
同じ人間なのに、血も同じなのに、
なぜ軽視されるのか。
逆に「素晴らしい文化だ!」という考えに、なぜならなかったんだろう。
コタンの過疎を感じる静かさ、
アイシャドウの濃さが際立つ映像美。
「さようなら、秋味の川。」
もう一回観たいな。
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