はるな

モーターサイクル・ダイアリーズのはるなのレビュー・感想・評価

3.0
喘息持ちでスポーツ好きな23歳の医大生エルネストが、旅を通して、偉大な革命家チェ•ゲバラへと変化していく物語(正確には、革命を始めるもっと手前の意識変革の過程を描いた物語)。

といってもものすごく派手な展開があるわけではなく、同じく医大生でお調子者のアルベルトと共に、南米の美しい自然や街のなかを汗まみれになりながら旅するお話がメイン。

前半はいわゆるロードムービー的な、旅の郷愁と興奮、スリルを感じる展開が続くのだけど、ペルーに入ったあたりから徐々に様子が変わってくる。行き場を失った先住民、医療を受けられず亡くなっていく人、仕事がなく生きるのもままならない多くの人々に出会い、エルネストの心に何かが芽生え始める。

決定打になったのは、思想のために家を追われ、仕事を求めて旅をする夫婦から尋ねられた「あなたたちは何故旅をしているの?」という問い。そこで多分、エルネストは自分の恵まれた境遇を突きつけられたのだろうな。

私が多くの映像作品を見るうちに自分の恵まれた境遇に気付き意識が変革したのと同様に、エルネストは旅を通して、苦しむ人々のために何かを為したいとの気持ちを強くさせていったのだろう。

【この作品で初めて知ったこと】
◎チェ•ゲバラはアルゼンチン出身
◎意識変化の多くはペルーで起きた
◎南米の先住民は、家を追われるなど苦しい暮らしを強いられている(いた?)
◎「チェ」は「よぉ」「オス!」「やあ」みたいな意味

次は『チェ 28歳の革命』を見てみたい。
はるな

はるな