高橋早苗

モーターサイクル・ダイアリーズの高橋早苗のレビュー・感想・評価

4.7
ブエノスアイレスから
チリ
ペルー
コロンビア
ベネズエラ・カラカスまで


旅の初めこそ
離れた恋人に会いにいくという
甘々なスタートだけど
南へ下るにつれ 旅は厳しさを増す

テントは強風に飛ばされ
金はなく アルベルトの口八丁で 寝床にありつく

度々ぶっ壊れる ポデローサ(怪力)号は 泣く泣く手放し
徒歩とヒッチハイクで 旅は進む

北へ進路を変え チリへ入国すれば
景色は一変して雪

チュキカマタ銅山では 
地上げ屋に土地を追われ
働き口を得る為に 旅をする夫婦に会い

ペルー・マチュピチュでは
やはり貧しい先住民たちを見る

サン・パブロでは
ハンセン病コロニーで働き
アンデス川に隔てられた 患者たちを思う


南米大陸を縦断し
第三世界の厳しい現実を 目の当たりにした二人に

世界は 旅する前とは
まるで違ったものに 映っていく


オープニングと
エンドクレジットに
『これは偉業の物語ではない
 同じ大志と夢を持った2つの人生が
 しばし併走した物語である』
という一文が添えられている


ラスト
虚空を見つめる 老いたアルベルトの顔に
グッとくる!

エンドロールに流れる
Al Otro Lado del Rio
『河を渡って木立の中へ』
が大好き♪
高橋早苗

高橋早苗