ミシンそば

テープのミシンそばのレビュー・感想・評価

テープ(2001年製作の映画)
3.3
すごーく、原作の舞台劇の再現にこだわった作りと言う印象は受ける、ちょっとした映画。
当時夫婦だったイーサン・ホークとユマ・サーマン、そしてロバート・ショーン・レナードの三人しか出てこない。
ほぼではなく、マジで出てこない。その三人以外一人も。
そしてユマ・サーマンにしたって出てくるのはランタイムの半分を過ぎたあたりから。「タワーリング・インフェルノ」のマックイーンかな?

まァ、良くも悪くも終始ラリってるホークが、高校時代の出来事を掘り起こそうとするが、次第に目的は脅迫でも謝罪を引き出す事でもなく、単にレナードに対してマウントを取りたいと言う欲求が見え隠れしてくるようですごく惨めに映る。
それに引っ張られてムキになるレナードもまた、手前勝手な主観で物事を歪曲…してるのかしてないのかよく分からんが、彼が演じる映画監督がすげえチャチい性格の小物だってことだけは分かったよ。
話の半分はそんな二人のそういう言い合い揉み合いみたいな感じなので、ユマ・サーマンが満を持して出てくるその時までは退屈かもしれない。

事実は小説よりも奇なりと言うが、常にそうとは限らない、ってことなのか?
どこまでも底が知れないまま映画自体が終わるサーマン。
この映画の勝者は彼女だけなのだろうな。