プリンス

冬の華のプリンスのレビュー・感想・評価

冬の華(1978年製作の映画)
4.8
長く生きてますと、色々なイザコザに巻き込まれるなんて事もある訳でございます。この様な場面でわたくしはどう立ち回るかと申しますと、あっちに嘘つき、こっちに嘘つき。うまくまとまった所でハイ、ドーン!ネタバラし!誰も損をしない様にコンサルティング、キレイに丸め込んでその場をやり過ごすのが特技だったりする訳です。大抵の事は、ちょっとした誤解や勘違いなんですよ。話せばわかるの精神であります。
しかしながら、これは恥ずべき連合軍のスタイル。時にはこの様な映画を観て、本来の日本男児のあるべき姿を学ばなければならないですよ。

さて、冬の華。
まあまあ想定内のヤクザ映画になっておるのですが、色々と染みるのであります。関西のヤクザ相手に上手く立ち回った兄弟分、池部良を殺して懲役を食らう高倉健。
もはや、このメンツに役名は野暮ってモンです。省略省略。
15年間の獄中から、各所に手を回して池部良の娘さんの面倒を見たりなんかして。ブラジルに居る叔父さんて設定ですよ。そこはうまくやってイイのね。
晴れて出所するも、関西ヤクザとの抗争は収まってない上に、すっかり組も親分さんもお年を召して元気がない。
時代は変わった訳で、これは潮時。足を洗うつもりも、ここは高倉健。驚異的に喋りませんから。言いたい事の三分の一も言わないもんだから、いつの間にやら半端ない板挟み感。色々と筋道立てて考えますと苦渋の決断を下さないとならない事になりまして、遂にドスを持ち出す羽目になる訳でございます。高倉健が居る事で、話がややこしくなっている気もするのですが、ツッコんではなりません。何と言っても東映オールスター、見どころ多数。田中邦衛がいつ裏切るか、ハラハラして待ち構えておりましたが今回はセーフ!峰岸トールに小林ネンジのカッコ良さ!嫁アントニオの可愛い事!
そして裏切り者の黒幕、トルコ遊び中の小池朝雄の元に向かうケン、クニエ、トール、ネンジ。ここ、相当かっこいいですよ。特にネンジのタクシーの乗り方注意。
わたくし、完全な菅原文太信者でありますが、高倉健がかっこいいとゆうのは認めざるを得ないですね。わたし、完全に高倉健になりたいです。
何も言わずに鋭い眼で立ちはだかる高倉健に、小池朝雄の命乞いのこのセリフ。

「おいおいおい、おめえと俺とは、長え付き合いじゃねぇか。なあ、見逃してくんねぇか?なあ、俺、ガキ居るんだよ。なんとかなんねえか?」

あー!!わかるー!
こっちのカッコわりい方。完全にわたしです。
ガッカリ目が覚めた所でお時間です。
あ!茶柱立った!
推奨年齢40歳以上。

でわまた!
プリンス

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