ルルド

カシムザドリーム 〜チャンピオンになった少年兵〜のルルドのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

~あらすじ~
カシームはアフリカのウガンダ生まれ。
ウガンダでは79年に独裁者アミン大統領が失脚してからずっと内戦が続いていた。
カシームが5歳の時、小学校の授業中に反政府ゲリラのNRA(国民抵抗軍)がやってきて、カシームたちを拉致。
(カシームのような少年兵は30万人と言われている)子どもたちは自分の身長と同じくらいのAK47ライフルを渡され、兵士になる通過儀礼として捕虜を殺すように命じられ、拒否すれば殺された。
そこでカシームは、弾薬をなくした友人を処刑させられた。
1986年、NRAが首都を制圧し、政権を奪取した。

カシームはやっと両親に会うことができたが、兵士を辞めることはできなかった。反政府組織LRA(神の抵抗軍)との戦争が始まったからだ。
戦場に行かないですむ方法があった。軍のスポーツ選手になることだ。
カシームはボクシングを選び、たちまちウガンダ代表に選抜された。
そして、アメリカに遠征した時、彼は脱走。
ワシントンには生まれて初めて見る雪が降っていた。

しかし、カシームの持ち金はすぐに尽き、ホームレスになった。
行くべき場所はひとつしかない。ボクシングジムだ。



映画では、階級を上げることの理由を「アフリカ人初の快挙」により恩赦を得て、母国へ凱旋することとしてましたが、本当はもう一つ理由がありました。
それは、カシームがマリファナの摂取により、食欲抑制が効かなくなり、これ以上の減量が困難だった為です。
カシームのマリファナ摂取は、元々は少年兵としてヤク漬けにされ恐怖心を持たない殺戮マシーンにされた為で、その後も幼少時代の凄まじい体験のフラッシュバックから逃避する為のものでした。
だから、カシームはあらゆる感情が抑制されていたのですが、それを踏まえて観ると、地元に帰り、父の墓を前に感情を取り戻し慟哭する姿により感動出来ると思います。
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