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狩人の夜のkogureawesomeのレビュー・感想・評価

狩人の夜(1955年製作の映画)
5.0
ダークなお伽噺。大人が観る童話。
残酷な絵本みたいな映画。

光と影、シルエットが特に印象に残る。

白黒映画の中でも特に思い入れのある一本。

前半と後半で映画の雰囲気が大きく変わる映画。

未亡人ばかりを殺す牧師の服を着た連続殺人鬼。その男から逃げる兄妹の話。

小さなお兄ちゃんと妹が川を舟で下って逃げているシーンの画面手前に蜘蛛の巣、陸亀、兎、羊、狐等の動物が配置され、絵巻物をほどいていくようなビジュアル。

夜中に目を覚ました兄が殺人鬼のシルエットを遠くに見つけて、
「あいつ寝らないのか」というシーンには背筋がゾっとするような不気味さがある。
他にも殺人鬼が、中盤で兄妹に逃げられた後に出す唸り声の神経に触るような気持ち悪さも記憶に残る。

後、スプーンおばさんが怖い。

公開当時は不評だったようだが、今は名作というかカルト映画になっている。

最高の1本。
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