タイムリープに華麗なトリック、脚本の切り口も新しい3作目!
世界観を押し出した1作目、前作を引き継ぎながら物語に主軸を置いた2作目に続いて3作目はなかなかトリッキーな脚本をぶち込んできた。
大悪党シリウス・ブラックを印象付け、対比として優しい教員ルーピン先生を登場させる(前作までの影響で闇の魔術に対する防衛術の担当が怪しいと思わせる下準備もバッチリ)。シリウスが今回のボスか、それともルーピンが裏切るのか、やっぱりスネイプが怪しいぞ…ってところでピーター・ペティグリューが登場。シリーズを追うごとにコイツがいかにヤバいやつかが明らかになるが、それはまだ先の話。今作の魅力は、この気持ちよく視聴者の期待を裏切ってくれることにある。シリウス、ルーピン、スネイプの奇妙な関係が垣間見えるのも先が気になるいい要素。
ピーターの話を進めつつ、タイムリープものとしてもしっかり伏線を張ってあるのが今作。しかしタイムリープ自体は今作の話の核では無いので簡単にって感じだけども。
今作のタイムリープは「何も変わらないけどリープすることに意味がある」タイプのものだった。つまり、最初からヒッポグリフは死んでいないし、シリウスも逃げている。だけどハリーたちが病室からリープしなかったら過去との辻褄が合わなくなってしまうのでダンブルドア先生が深く教えずにリープを促した。
「タイムリープしないと助からないけれど、タイムリープしなくても助かってしまっている。」というのが矛盾点ではあるんだけれど、たぶん逆で、「タイムリープさえすれば全て上手くいく」という考え方をするべきなのだろう。
概念としては「MCUのロキで登場するTVA」に近いのかなと。要するに、ハリーたちがタイムリープするのは決まっていて、病室から過去に戻らなくては正しく時間が進まないのだろう。
まとめると、「タイムリープさえさせればやり直しきくし辻褄が合う」というただ一点でダンブルドア先生はハリーたちを過去に飛ばせた。ちなみに過去を変えても未来は変わらない。最初からなるようになってたのでヒッポグリフは生きてるし、シリウスも逃げられる。変わるとすれば過去のハリーたちとタイムリープ後のハリーたちでは「一周分の知識」が違うことくらい。
ダンブルドア先生は「何も変えないために過去に飛ばせた」というのが私の解釈。
次回は炎のゴブレット。ほんとに全然記憶が無い。ほぼ初見なので超楽しみ。
1週間くらい空いちゃうのでワクワクしながら待つ。