イチイ

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人のイチイのレビュー・感想・評価

3.0
3年目のホグワーツには、ハリーの命を狙う脱獄囚のシリウス・ブラックや、アズカバンの獄卒亡霊ディメンターが登場し、一層不気味で危険な場所となっていた。思春期真っ只中のハリーは防衛術を教える新任教師のルーピンに惹かれ師弟関係を深めていくが、同じく教師となったハグリッドの授業で起こったトラブルでついにはホグワーツに血が流れることとなる、というファンタジー。

大人になりつつあるハリーが、自らのうちに抱える様々な力や感情と向き合い、翻弄されながらも両親の死に関する真実を見出そうともがくお話。両親を知らずに育ったハリーが、ダンブルドアのような超越的な存在ではなく、もっと身近で人生の先輩として慕う両親の代わりとなる存在を見つけていく。誤解やすれ違いがありながらもハリーが親代わりのひとに心をひらいていく過程はなかなか感動的。ただ、観客を騙すためにわざと勘違いするような振る舞いをさせるのは少々あざとい。

ハリーの声優たちもちょっと成長して以前よりは自然な演技になってきているのもありがたいところ。今後に期待。
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