ダイナ

トガニ 幼き瞳の告発のダイナのレビュー・感想・評価

トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)
4.4
2011年公開の韓国映画。実際に起きた韓国の聾学校での生徒への暴行事件を元に撮られた作品。この映画について調べる上で、絶望と希望を感じました。

事実に元づいてると信じたくない内容。鑑賞後はやりきれない気持ちになりました。物語の結末はどうなるのかというのをダレることなく展開させていく脚本は、一本の映画として普通に素晴らしいです。

本作の撮影のきっかけは主役のコン・ユが原作を読んだ際に衝撃を受け、原作者にアプローチをかけたことがきっかけとのこと。コン・ユについては、あの名作ゾンビ映画の新感染ファイナル・エクスプレスや、イカゲームで主人公をゲームに誘うブローカー役で知っていましたが、このようなバイタリティある方とは知りませんでした。

映画公開後の社会への影響について、韓国では460万人を動員し、あまりのショッキングな内容に各地から事件非難の声が上がり、障害者・児童に対する性暴力の厳罰化・時効の撤廃を定めた「トガニ法」が制定されることとなりました。

この映画では題材となった事件、絶望感を繊細に描かれています。センセーショナルかつ丁寧に描写されている本作により観客、社会へ波紋を広げたことで法制定に繋がったことは希望の一端を感じました。
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