つまんないを超えてムカついてくるのは善人しかいないからで、危機的状況を利用して一発逆転を狙う汚い人物や狡賢いキャラクターが誰ひとりいない、渡辺文雄、丹波哲郎、大滝秀治が顔を突き合わせているのに日本の安全をまず第一に考えている。そんなことあるはずないだろ。東京を覆った不穏な雲と対峙して2000万人を救ったのが国でも自衛隊員でもなく、テレビ局員の山下真司。山下真司、祭りで演奏している盲の自称ミュージシャンを「浮かれるな!」と突然ぶん殴るキチガイで、こんなやつに助けられたくない。舛田利雄の映画、前から大嫌いだったけどますます大嫌いになった。ドン・デリーロの『ホワイト・ノイズ』も舛田利雄が監督するとこれぐらい馬鹿げた映画になると思う。渡瀬恒彦の適当な大作三本立て、本作と『ナイル』『恐竜・怪鳥の伝説』でオールナイト上映してほしい。