弱き者への救い、という遠藤の辿り着いたキリスト教感が良く描かれていると思う。
「神は助けてはくれないじゃないか!」という逆境に立たされていた時の遠藤の思い。
宣教師が愚かな者として描写されていることが、唯の隠れキリシタンの話ではないということを物語っている。
寧ろ武士達の方が頭が良いし、物事の道理もわかっている。
犬死するキリシタンや主人公の宣教師の愚かさがより際立つ。
作中で明確に思想が語られることがない為、色々と読み取りにくいかもしれない。
ただ尺の都合なのか尻切れトンボなのが気になった。
また途中に出てきた赤いへんないきものは、あれは日本古来の神だと思う。