楽しくて、慌ただしくて、猫の手も借りたいくらい!
ジプシーの一族の犯罪、結婚、恋愛。彼らが巻き起こすドタバタを描いたスラップスティックコメディ。
挨拶なしに懐に飛び込んでくる、間合いの取れない狂躁的なユーモア。
喜びも悲しみも全てを笑いのめし、高らかに生命そのものを謳い上げる。ブタやアヒルまで一緒になって!
登場人物たちは例外なくズレていて、インチキ臭い。そしてハイテンション。彼らの濃厚なキャラクターを眺めているだけでも飽きません。
劇中に何度も登場する黒猫、白猫が象徴するもの。幸運と不運。生と死。男と女。対立しながら混ざり合う二つの何か。
ドナウ川が背景にあるのも象徴的ですね。
この映画の中では常にその何かが激しく追っかけっこをしているかの様で、観ているこっちの頭もグルグルします。
深く考えずに身を任せれば、クストリッツァ印の心地良い混乱が訪れることでしょう。
クストリッツァ作品に共通する、賑やかで暖かい雰囲気。そしてジプシー音楽。
自分は既に虜になっております。いつまででも観てられるね。
冷静なジャッジはできませんが、自信を持ってオススメしたい作品です。
外は雨。でも気分はドナウ晴れでございます‼︎