川の流れのように
1998年 ユーゴスラビア作品
今は無きユーゴスラビア連邦共和国(1992-2003)
舞台はドナウ川沿いの田舎町
「美しく青きドナウ」
ワルツのような大河の流れ
それをバックに繰り広げられる
人間と動物のドタバタ劇が面白い
黒猫と白猫
チェスの駒
礼服
モノクロ写真
黒山羊と白山羊…
黒と白
色の対比が印象的
猫、犬、アヒル、豚、馬…
動物たちの自然で本能的な営み
人間たちの自然で煩悩的な営み
似ているようで似ていない
両者の対比が面白い
男女の恋と家族愛
飲む、打つ、買う、ドラッグと争い
普遍的なヒューマンドラマが
びよよ~んという差し音と共に
ドタバタ劇に変わるのが面白い
親子三代
真面目な孫ザーレ
金にだらしない父マトゥコ
孫思いの祖父ザーリエ
面長で豊かな表情が面白い
尻で釘を抜く
踏切りに吊るされる男
樹に括りつけられた楽隊
箱の中、切り株の中、スカートの中…
いろいろな隠れ場所
奇想天外な映像が面白い
大団円
ドタバタ劇の最期の展開
ストーリーのテンポよく
BGMが賑やかで楽しく面白い
締めもよし
ザーリエとグルガ
死と生のあわいを生きる二人のじいさん
ドナウ川の流れを眺める二人は
その行き着く先を知っているんだろう
1998年はユーゴスラビア紛争の真っ最中
過激(だけどコミカル)な描写には
政治的意図も込められているような
深読みもできる