Ricola

アモーレのRicolaのレビュー・感想・評価

アモーレ(1948年製作の映画)
3.3
プロダクションコード、いわゆるヘイズ・コード緩和の契機となった問題になったというこの作品。

二話構成になっており、どちらもアンナ・マニャーニが主人公を演じている。


第一話『人間の声』
男からの電話をひたすら待つ女。
電話で女が話しているシーンが大半を占める。それ以外のシーンは電話を待つ、ブツブツ話しながら焦燥している彼女の様子がほとんどである。

ヒロインの表情の変化で、彼女の精神不安定ぶりがよくわかる。

全く変わりばえのしない画面に、少し飽きてしまったが、派手なストーリーの「裏」になりうるこのテーマに焦点を当てるという挑戦ぶりにあっぱれである。


第二話『奇蹟』
あのフェリーニがなんと俳優として出演している。
彼はロッセリーニ作品ではよく脚本を手がけており、今作でもそうである。

こちらの話でプロダクションコード違反になったのかもしれないが、正直そこまでというか全く直接的な描写でないので何故?という感想である。

運命を狂わされても、人々から蔑まれても、力強く生きる女性の姿と厳しい世の中に心苦しくなる。


どちらも全体的に盛り上がりにかけるため、あまり集中しきれなかった。 

しかし特に第一話の面白い設定と、アンナ・マニャーニの演技を楽しむことができた。
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