かじドゥンドゥン

斜陽のおもかげのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

斜陽のおもかげ(1967年製作の映画)
3.0
作家・太宰治(1909-48)の元愛人とその娘マチコの物語。世間からは「妾とその子」と白い眼で見られてきたが、彼女たちをモデルにした小説『斜陽』の一節(二人を聖母子にたとえるくだり)を太宰の遺書のように暗唱し、二人は誇りをもって生きて来た。ところが、マチコがある良家の男子大学生と恋に落ちたとき、やはりマチコの出自や家柄が障害となる。父・太宰は自分のことをどう思っていたのか、父は本当に母が言うような美しく清潔な人間だったのか・・・そう考え込まざるをえないマチコは、太宰の故郷・青森へひとり旅立つと、父の親戚を訪ねて回る。それは、母づてに聞くのではない、太宰の素顔と向き合う旅、そして自分捜しの旅であった。